グローバル人材教育システム

開発コンセプト



留学を派遣先教育機関にのみならず、派遣元機関(高校や大学等)による留学中教育を実現する、教育システムです。

留学生自身が中心となって、主体的に異文化ネットワークを構築しながら、海外でしかできない異文化理解を促す課題に取り組み、海外で通用するグローバル人材の育成を強力に支援する、まったく新しい仕組みをご提案いたします。

高校生、大学生の「異文化体験」や「語学力の向上」、「コミュニケーション能力の向上」のさらなる向上を推し進め、留学経験がその後の学習や進学、将来のキャリア形成に貢献することを目的としています。

具体的には、留学を「留学前教育」「留学中教育」「留学後教育」の3つのフェーズに区分し、「留学中教育」を軸としながら、「留学前・留学後教育」と連動させ、グローバル人材育成に繋がるための留学システムと言えます。

開発の背景


近年、海外留学を目指す学生が減少する傾向にあるといわれています。その要因として「若者の内向き指向」や「経済的問題」が挙げられますが、さらに学生にとって留学経験が、その後の学習やキャリア形成につながることを、目に見える形で対外的にアピールすることが大変難しいことが挙げられます。さらに、教育機関が抱える共通の問題として、留学の成果である、「人間力(考える力、コミュニケーション能力、前に踏み出す力など)」や「国際性(国際的視点、日本文化の再認識等)」「視野の広がり」「人間的な成長」を具体化しにくいという点もあるといえるでしょう。

また、もう一つ大切な課題として「就職」という問題があります。

一昔前であれば、「留学した」ということだけで、就職活動でも何かと有利に働きましたが、現在は多くの学生が、短期、長期など様々な留学を経験し、際立つものではなくなりました。

しかも、その多くが、目的を定めず、単に漠然と留学しているという現実があります。語学力は、TOEICスコアなどを見ればすぐわかります。企業は知りたいのは、それを取得するまでのプロセスであり、この語学力をどのように活用し、どのような成果を得たのかということです。加えて「異文化の中で何を得たのか」「主体的に異文化とどうかかわったのか」を、学生がより具体的に認識するためには、そのプロセスを含めて、可視化できる仕組みの構築が、有効ではないかとの考えがありました。

また、オーラルコミュニケーションの重要性は勿論ですが、実際のビジネスシーンでは、外国語で送られてきた書類を読む、理解する、内容をまとめて上司などに報告する、返信する内容をまとめ、外国語に翻訳する、といった「読む・訳する・書く」という行為、すなわち異文化におけるトランスレーター(Translater)としての役割が大変重要であり、このフィールドであれば、インターネットを活用すれば教育・育成できるのではないかとの思惑がありました。

TNGnetは、これらの「思い」を具現化するツールとして開発されました。

想定教育フェーズ

留学前教育
語学、世界史、日本史、国際情勢、ディベート、ITリテラシーなどを包括した「留学前・留学後教育」を用意し、今回の取り組みの軸となる「留学中教育」と繋げます。

■本システムの受講対象留学生の選抜
■オリエンテーション+事前教育の実施(学生および保護者対象)

  ※実施概要、システム操作方法およびITリテラシーに関する事前教育
  ※レポート作成等の事前練習
■留学前情報の管理
  ・留学に関わる基本情報の把握、情報の共有化(危機管理等を含む)
留学中教育
eラーニング及びSocial Networking Service(SNS)を組み合わせた「Web留学中教育システム」を活用し、リアル+ネットコミュニケーションを通じて、留学生自身が異文化間のコーディネーターやトランスレーターとしての役割を果たし、学生、外国人、教職員との密接なコミュニケーションに基づく、双方向のアクティブラーニングを通じて、主体的な学習を促し、日本と海外との学生を広く繋ぐ、グローバル人材育成システムを確立します。

■留学生→課題レポート選択 → 実践 → レポート提出
■コミュニティ構築など、SNSの有効的な活用
■留学生は、発言者・インタープリター・コーディネーターとして横断的な活動を展開
■トランスレーターとして多言語で文章を作成するで、文章作成力・読解力を育成
■教職員:・教員によるレポートの添削・承認と単位認定

  ※異文化交流スーパーバイザーとしての指導・助言
  ※異文化の相互理解のヒントとなるコメントをスレッドに提供
■優秀レポート・活動報告サイト(一般公開コンテンツ/情報発信の場)
■課題レポート、日記、活動報告等の中から優秀なものを、特設サイトにて発表
留学後/帰国後教育
最終的には、各課題のレポートや留学期間中に交わされた情報や活動日記などを再構築し、教職員の指導を交え、帰国後の留学生自身の体験に基づいた「プレゼンツール」作成を目指します。また、活動報告特設サイトのレポート公開をはじめ、各種報告会などを開催し、留学体験を学生自身でプレゼンテーションする機会を与え、ディベート能力などを含めた、スキルアップを目指します。

■課題レポートや自己目標に関する評価および単位の認定
■レポートをベースとした帰国レポートの指導・作成
■投稿をベースとした自己プレゼンテーション用資料の作成・指導
■留学体験発表会の開催
■留学生の活動内容等の発表会の開催
■留学生の活動内容等のプレスリリース